ショートショートの披露場

短い小説を書いています

人違い

本屋さんでむずかしそうな本たちとにらめっこしてるパパに声をかけた。でも振り向いたらちがう顔だった。知らない人だ。
あやまらないといけないけど、はずかしくてモジモジしてたらそのおじさんが「パパと間違えちゃった?」ときいてきた。うん、と頷いたら「今度は間違えないようにね。チャンスはあと1回だよ。パパも寂しいだろうから」と言ってきた。
はい、と返事をして、ほかの棚のところを探した。そしたらマンガの棚のところにパパがいたから、声をかけようとした。すぐそばまで来たら、さっきおじさんに言われたことを思い出した。
「今度は間違えないようにね。チャンスはあと1回だよ」



この物語はフィクションです。